こんにちは。LuxBike Blog編集部です。ハーレーダビッドソンのラインナップの中でも、王道中の王道とも言えるクラシックスタイルを持つロードキング。その堂々たる姿に憧れを抱きつつも、購入に向けた情報収集を進める中で「不人気」や「後悔」、「重すぎて無理」といったネガティブな検索ワードを目にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。決して安い買い物ではないからこそ、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することは絶対に避けたいものです。特に、同じツーリングファミリーで人気の高いストリートグライドとの違いや、400kgに迫る車体の取り回し、そして空冷エンジン特有の熱問題は、オーナーになる前に必ず理解しておくべき重要なポイントです。この記事では、実際に検索されているこれらの懸念点を一つひとつ丁寧に紐解き、その実態と具体的な対策について、私自身の経験も交えながら詳しく解説していきます。
- ロードキングが市場で不人気と言われる本当の理由と背景
- 購入前に知っておくべき重さや熱への具体的な対策方法
- フェアリングがないことによるメリットとデメリットの比較
- リセールバリューや将来性を含めた後悔しない選び方
ロードキングが不人気とされる理由を徹底検証
なぜハーレーの代名詞的な存在であり、歴史あるモデルであるロードキングが、検索エンジン上で「不人気」という言葉と結びつけられてしまうのでしょうか。そこには、現代のバイクシーンにおけるトレンドの変化や、ユーザーが求める「快適性」の基準が変わってきた背景があります。ここでは、強力なライバルであるストリートグライドなどの人気モデルとの比較や、多くのライダーが購入前に躊躇してしまう最大の要因である「重さ」や「熱」といった物理的なハードルについて、その現実を包み隠さず、詳細に検証していきます。
ストリートグライドとの比較で迷うポイント

ロードキングの購入を検討する際、避けて通れないのが、同じツーリングファミリーに属する「ストリートグライド(FLHX)」や「ロードグライド(FLTRX)」との比較です。これらは現在のハーレー市場において圧倒的な人気を誇り、販売ランキングでも常に上位に君臨しています。では、なぜロードキングはこれらのモデルと比較して「選ばれにくい」状況にあるのでしょうか。
決定的な違いは「快適装備」の有無
最大の違いは、一目でわかる通り「フェアリング(カウル)」と「インフォテインメントシステム」の有無にあります。ストリートグライドには、ハンドルマウントの巨大な「バットウィングフェアリング」が装備されており、その内側にはタッチパネル式のナビゲーションシステムや高音質なオーディオスピーカーが標準で組み込まれています。
一方、ロードキングの装備は非常にシンプルです。風防は着脱可能なウィンドウシールドのみで、オーディオやナビといったデジタル装備は一切ありません。現代のライダーの多くは、移動中の快適性や利便性を重視する傾向にあり、同じような価格帯(新車価格で350万円〜400万円オーバー)であれば、「装備が充実している方がお得で合理的だ」と判断するのは自然な心理と言えるでしょう。
| 比較項目 | ロードキング (FLHR) | ストリートグライド (FLHX) |
|---|---|---|
| フロント装備 | 着脱式ウィンドウシールド | バットウィングフェアリング |
| オーディオ・ナビ | なし(アナログメーター) | あり(タッチパネル・スピーカー) |
| 防風性能 | 中(シールド依存) | 高(高速巡航が楽) |
| ハンドリング | 軽快(ハンドルが軽い) | 重厚(ハンドルにカウルの重み) |
| スタイル属性 | クラシック、伝統的 | バガー、モダン、トレンド |
トレンドは「パフォーマンスバガー」へ
さらに、近年のハーレーシーンでは「クラブスタイル」や「パフォーマンスバガー」と呼ばれるカスタムスタイルが世界的なトレンドになっています。これらはカウル付きのモデルをベースに、サスペンションやエンジンを強化してスポーティに走るスタイルですが、カウルのないロードキングはこの流行のメインストリームから少し外れた位置にいます。
ここがポイント
カタログスペックや装備の多さだけで比較すると、ロードキングは「割高」で「不人気」に見えてしまいがちです。しかし、この「何もない」というシンプルさこそが、カスタムの自由度を高め、ハーレー本来の鼓動感をダイレクトに味わえるという、玄人好みの最大の魅力でもあるのです。
車重が重いことによる立ちゴケの不安

「ロードキング 重い」「無理」「立ちゴケ」といったキーワードで検索してしまう気持ち、私自身も痛いほどよくわかります。ハーレーのツーリングモデルは、装備重量で約380kgから420kgにも達する、二輪車としては規格外の超重量級バイクです。教習車として一般的なホンダのNC750やCB400SFなどとは比較にならず、大型バイクの代名詞であるCB1300SF(約270kg)と比較しても、大人二人分以上の重量差があります。
数字以上の「重圧」と取り回しの現実
特に初心者の方や体力に自信のない方にとって、この重さは単なる数字以上の恐怖としてのしかかります。平坦なアスファルトの上ならまだしも、少し砂利が浮いている駐車場や、わずかでも傾斜がある場所での取り回しは、一瞬の気の緩みが「立ちゴケ」に直結します。一度バランスを崩してグラッとくれば、人間の筋力で支えきれる領域を簡単に超えてしまいます。
絶対的な注意点
ツーリング先の駐車場選びは死活問題です。わずかでも「前下がり」の傾斜がある場所に頭から突っ込んで駐車してしまうと、400kgの車体をバックで引き上げることは、男性でもほぼ不可能です。常に「バックで出やすい向き」を意識して停める習慣が必要です。
重さを克服する具体的なテクニック
しかし、絶望する必要はありません。この重さは「力」ではなく「技術」と「コツ」でカバーできるからです。多くの小柄な女性ライダーがロードキングを颯爽と乗りこなしているのがその証拠です。
- 腰で支える(テコの原理): 腕の力だけで押そうとせず、腰(お尻)をシートやサイドバッグに当て、体全体を使って押し引きします。
- 逆操舵バックの活用: ハンドルを左に切ってバックする場合、車体は右側(自分側)に倒れようとする力が働きます。これを防ぐため、あえて車体をほんの少し反対側(向こう側)へ傾けるイメージを持ちながら押すと、驚くほど安定します。
- 直立点のキープ: バイクには、指一本でも支えられる「バランスポイント(直立点)」があります。常にこの点を探りながら動かすことが重要です。
そして何より、この重さは走り出した瞬間に「圧倒的な直進安定性」というメリットに変わります。横風や路面のギャップにビクともしない重厚な乗り味は、軽量なバイクでは決して味わえない、ハーレーのツーリングモデルだけの特権と言えるでしょう。
エンジンが熱い問題への具体的な対策

ロードキングに搭載されている空冷大排気量の「ミルウォーキーエイトエンジン(107ciや114ciなど)」にとって、「熱」は避けて通れない宿命的な課題です。特に日本の高温多湿な夏場、そして逃げ場のない渋滞路は、空冷エンジンにとってもライダーにとっても過酷な環境となります。
「火傷しそう」は比喩ではない
ユーザーレビューやSNSで「右足のふくらはぎや太ももの裏が、火がついたように熱い」という悲鳴のような報告をよく目にすると思います。これは決して大袈裟な表現ではありません。ハーレーのVツインエンジンは、構造上、後方のシリンダーヘッドと、そこから伸びるエキゾーストパイプが、ライダーの右足のすぐ内側を通るレイアウトになっています。
走行風が当たっている間は冷却されますが、信号待ちや渋滞で停止すると、エンジンの熱気は容赦なく上昇し、ライダーの下半身を直撃します。この不快指数があまりに高いため、「夏は乗れない」「これが嫌で手放した」という声が上がり、それが「不人気」の一因となっていることも否定できません。
現代のハーレーは賢い:EITMSの活用
しかし、メーカー側もこの問題に対して無策ではありません。現代のツーリングモデルには、EITMS(Engine Idle Temperature Management System)という機能が搭載されています。これは、気温やエンジン温度が一定以上に達した状態でアイドリングをしている際、自動的に後方シリンダーへの燃料噴射と点火を停止し、単なる「空気ポンプ」として作動させることで、熱の発生を抑えるシステムです。
(出典:ハーレーダビッドソンジャパン公式)
物理的な対策アイテムで乗り切る
さらに、物理的なアイテムを追加することで、快適性は劇的に向上します。
効果的な熱対策3選
- サドルシールド(ヒートデフレクター)の装着: シート下のフレームに取り付ける樹脂製のパーツです。エンジンから上がってくる熱気が太ももに直接当たるのを物理的にブロックしてくれます。純正オプションや社外品で数多く販売されており、費用対効果は抜群です。
- エキパイのバンテージ巻き: マフラーのエキゾーストパイプに耐熱サーモバンテージを巻くことで、放射熱を抑えることができます。見た目がワイルドになるため、カスタムとしても人気です。
- 燃調チューニング(インジェクションチューニング): 工場出荷時のハーレーは、排ガス規制に対応するためにガソリンの噴射量が薄く設定されており、燃焼温度が高くなりがちです。プロショップで「燃調」を行い、ガソリン噴射量を適正化(少し濃くする)することで、気化熱による冷却効果が高まり、エンジン温度を下げることができます。
「ハーレーは熱いもの」とある程度割り切る必要はありますが、これらの対策を組み合わせることで、日本の夏でも十分に付き合っていくことが可能です。
風圧で疲れる高速走行のリアルな評価
カウルのないロードキングで高速道路を走ると、実際のところどれくらい疲れるのでしょうか。結論から申し上げますと、風圧を全身で受け止めることになるため、フェアリング付きモデルと比較すれば、疲労度は確実に高いと言わざるを得ません。
速度域と疲労の境界線
具体的には、時速80km程度のクルージングであれば、風を感じながら心地よく走ることができます。しかし、時速100kmを超え、さらに追い越し車線の流れに乗ろうとすると、状況は一変します。胸全体に当たる風圧は想像以上に強く、ヘルメットを持って行かれないように首に力が入り、ハンドルを握る手にも力が入ってしまいます。
ストリートグライドやロードグライドが、巨大なフェアリングによってライダーの周囲に「無風の空間」を作り出し、音楽を聴きながら優雅に移動できる「ファーストクラス」だとすれば、ロードキングは風を切り裂いて走る「オープンカー」のようなものです。片道300kmを超えるような長距離ツーリングを頻繁に行う場合、この疲労の蓄積は無視できない要素となります。
ウィンドウシールドの効果と限界
もちろん、ロードキング(標準モデル)には大型のウィンドウシールドが標準装備されています。これを装着すれば、胸から下への風圧は劇的に軽減され、高速巡航はかなり楽になります。しかし、頭部への風や巻き込み風までは完全に防げませんし、ロードキングスペシャルなどのシールドレスモデルの場合は、まさに風との戦いになります。
ただ、この「風との戦い」こそがバイクに乗る醍醐味であり、「生身で走っている感覚」を求めてあえてロードキングを選ぶライダーも少なくありません。快適性を最優先するのか、それともバイクらしい野性味を優先するのか、ご自身のライディングスタイルと相談する必要があります。
生産終了の噂と気になる今後の動向
これからロードキングを購入しようとしている方にとって、無視できないのが「ロードキング 生産終了」という不穏な噂です。インターネット上の掲示板やSNSでは、「2026年頃にラインナップから消えるのではないか」「空冷エンジン自体が終わるのではないか」といった憶測が飛び交っています。
噂の出処とメーカーの戦略
この噂が出る背景には、ハーレーダビッドソン社が近年進めている経営戦略「The Hardwire」があります。これは、利益率の高いモデルや、ブランド力を牽引する人気モデルにリソースを集中させるという戦略です。実際に、かつての人気ファミリーであった「ダイナ」がソフテイルに統合されて消滅したように、ラインナップの整理縮小は現実に起きています。また、世界的に厳格化される環境規制(EURO規制など)に対応するため、空冷エンジンの存続が年々難しくなっているという技術的な事情もあります。
さらに、アメリカ本国では、標準のロードキング(FLHR)のカタログ掲載がなくなり、ロードキングスペシャル(FLHRXS)のみが販売されている時期があるなど、モデル展開の縮小が見られたことも噂に拍車をかけました。
ポリスモデルとしての揺るぎない需要

しかし、私はロードキングというプラットフォーム自体が完全に消滅する可能性は低いと考えています。その最大の理由は、ロードキングが世界中の警察車両(ポリスモデル)として採用されている実績にあります。
アメリカの白バイといえばハーレーですが、そのベース車両として長年愛用されているのがロードキングポリス(FLHP)です。フェアリングがなく視界が良好で、取り回しが(カウル付きよりは)容易であり、無線機などの特殊装備を搭載しやすいこのモデルには、業務用としての根強い需要が存在します。警察車両としての供給が続く限り、そのベースとなる市販車も形を変えて存続する可能性が高いでしょう。
仮に一般向けのラインナップから一時的に名前が消えることがあったとしても、それはモデルの寿命というよりは戦略的な一時停止であると考えられます。むしろ、もし本当に生産終了となれば、「最後の空冷ロードキング」として希少価値が高まり、中古車市場での価格が高騰する可能性すらあります。迷っているなら「買えるうちに買う」のが正解かもしれません。
不人気なロードキングでも後悔しない選び方

ここまで、重さ、熱、風圧、生産終了の噂と、ネガティブな要素を中心に検証してきました。これらを聞いて「やっぱりやめておこうかな」と思った方もいるかもしれません。しかし、それでもなお、ロードキングに強く惹かれる自分がいるのではないでしょうか?ここからは視点を変えて、「不人気」と言われる要素をポジティブに捉え直し、購入後に絶対に後悔しないための選び方や、オーナーだけが知る深い魅力についてお話しします。
ロードキングスペシャルの独自の評価とは

ロードキングというモデルを語る上で外せないのが、「ロードキングスペシャル(FLHRXS)」という存在です。標準のロードキングがクロームメッキで飾られたクラシックスタイルであるのに対し、スペシャルはエンジンからマフラー、フロントフォークに至るまで全身を漆黒にブラックアウト。さらに、サドルバッグは地面に向かって長く伸びた「ストレッチサドルバッグ」を採用した、ファクトリーカスタムモデルです。
「Pointless(無意味)」という批判への回答
海外の辛口なレビュー動画などでは、このモデルに対して「Pointless Motorcycle?(無意味なバイクか?)」という挑発的なタイトルが付けられることがあります。なぜなら、「バガースタイル」とは本来、カウルとパニアケースを備え、長距離を快適に移動するためのスタイルだからです。「カウルがないのにバガー?風防がないのに長距離?矛盾しているじゃないか」というのが彼らの言い分です。
しかし、この「矛盾」こそが、ロードキングスペシャルの最大のカッコよさであり、アイデンティティなのです。
- Bad Boy Style: 規律正しいポリスバイクや、優等生的なツーリングモデルとは真逆の、不良っぽさ(Bad Boy)やアウトローな雰囲気を全身で表現しています。
- ストリート映えするデザイン: 高速道路を淡々と走るよりも、街中のショーウィンドウに映る自分を見るのが楽しい。信号待ちで隣に並んだ車からの視線を感じる。そんな「見られる快感」においては、カウル付きモデルをも凌駕する存在感があります。
カスタムベースとしての無限の可能性
また、機能面での大きなメリットとして「カスタムの自由度」が挙げられます。ストリートグライドなどのカウル付きモデルは、ハンドルの形状を変更しようとすると、カウルやメーター周りの干渉を避ける必要があり、選択肢が限られたり工賃が高額になったりします。
対してロードキングは、ハンドル周りがオープンなため、天高く拳を突き上げる「エイプハンガー」や、攻撃的なポジションの「Tバー」など、好みのハンドルへの交換が非常に容易です。自分だけのスタイルを構築したいカスタム志向のライダーにとって、これほど魅力的なキャンバスはありません。
古くならないアナログメーターのメリット
最新のストリートグライドやロードグライドには、自動車顔負けの巨大なタッチパネル液晶が搭載され、Apple CarPlayなどが使えるようになっています。これは非常に便利で先進的ですが、長く乗ることを考えた場合、一つのリスク要因にもなり得ます。
デジタルは必ず陳腐化する
皆さんも経験があると思いますが、スマートフォンやパソコンは、数年もすれば動作が遅くなり、OSの更新が止まり、バッテリーが劣化して「古い機械」になってしまいます。バイクのインフォテインメントシステムも同様で、今は最新でも10年後には「昔のナビ」になってしまう運命にあります。また、液晶画面の故障やブラックアウトは、修理費用が高額になるケースも少なくありません。
対してロードキングは、タンクの上に配置された大型のアナログスピードメーターという、昔ながらの構成を貫いています。針が動くだけの単純な機構ですが、これは「時代が変わっても陳腐化しない」という強力なメリットでもあります。
デジタルの呪縛からの解放
10年後、20年後に見ても、アナログメーターの機能美は色褪せることがありません。もし最新のナビが必要なら、最新のスマートフォンをハンドルにマウントすれば解決です。本体の機能はシンプルに保ち、デジタル部分は外部デバイスに任せる。これこそが、長く愛車と付き合うための最も合理的な選択と言えるのではないでしょうか。
軽快なハンドリングと広い視界の魅力

先ほど「ロードキングは重い」と強調しましたが、実はハンドリング(操作性)に関しては、カウル付きモデルよりも軽快で素直だという事実をご存知でしょうか。
ハンドルの重さが全く違う
ストリートグライドの象徴である「バットウィングフェアリング」は、実はフロントフォーク(ハンドル)にマウントされています。つまり、ライダーはハンドルを切るたびに、あの巨大なカウルと、中に詰まったオーディオ機器の重さを一緒に動かしていることになります。これが低速時のハンドリングに独特の重みや慣性を生じさせます。
一方、ロードキングのフロント周りは、ナセルヘッドライトとウィンドウシールド(またはそれも無し)という構成です。重心がハンドル軸に近いか、あるいはシンプルに軽いため、ステアリング操作が非常に軽く、ライダーの入力に対して素直に反応してくれます。
景色を切り取らない開放感
そして何より、跨った時の景色が違います。カウル付きモデルは、目の前に巨大な壁(カウルやメーターパネル)がそびえ立ちますが、ロードキングの視界を遮るものは何もありません。北海道の広大な直線道路や、海岸沿いのワインディングを走る時、空の広さや路面の状況がダイレクトに目に飛び込んできます。
「バイクに乗っている」というライブ感、景色との一体感において、ロードキングに勝るツーリングモデルはないと断言できます。この開放感は、一度味わうと病みつきになる、ロードキングオーナーだけの特権です。
気になるリセールバリューと買取相場
最後に、現実的なお金の話をしましょう。「不人気だから、手放す時に二束三文になってしまうのではないか?」と心配される方もいるでしょう。結論から言うと、ハーレーのツーリングファミリーは底値が非常に堅いため、過度な心配は不要です。
プレミアはつかないが、暴落もしない
確かに、生産終了決定直後に価格が高騰した空冷スポーツスターや、国産車のカワサキZ900RSのような、「買った値段より高く売れる」といったバブル的なプレミア現象は、現在のロードキングには起きていません。リセールバリューランキングなどでトップを独走するような車種ではないのが現状です。
しかし、ハーレーのツーリングモデルは、新車価格が高いこともあり、中古車市場でも一定の高値を維持し続けています。買取相場は年式や走行距離、カスタム内容によって大きく変動し、40万円台(かなり古い年式)から120万円〜200万円台(高年式・ミルウォーキーエイト搭載車)と幅広いですが、ある程度の価格帯まで下がると、そこから大きく値崩れしにくいのが特徴です。
リセールを意識するなら
将来的な売却を考えるなら、取り外した純正パーツ(マフラーやシート、ハンドルなど)は必ず保管しておきましょう。フルカスタム車両よりも、ノーマルに戻せる車両の方が、買取店での評価は高くなる傾向にあります。
短期的な転売でお金を稼ごうとするのでなければ、所有している間の満足度と、売却時に戻ってくる金額のバランス(残価率)は、趣味の乗り物として十分に優秀な部類に入ります。
ロードキングは不人気でも最高の相棒になる
最終的に、ロードキングが「不人気」と言われるのは、それが現代の「快適便利主義」に対するアンチテーゼのような存在だからではないでしょうか。カウルも、ナビも、音楽もない。あるのは、エンジンの鼓動と、全身に受ける風、そして路面から伝わる熱だけ。それを「不便で時代遅れ」と捉えるか、「純粋なロマン」と捉えるかで、評価は180度変わります。
ランキングの順位や他人の評価、「不人気」という検索ワードに惑わされる必要はありません。「このクラシックなスタイルが好きだ」「風を感じて走りたい」という直感で選んだなら、その不便さも含めて愛おしく感じる、最高の相棒になるはずです。
もし迷っているなら、ぜひ一度、お近くのディーラーやレンタルバイク店で、ロードキングを試乗してみてください。走り出した瞬間に感じる、あの独特の重厚感と開放感こそが、あなたにとっての真実の答えになるはずです。
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