大型バイクに憧れているものの、ネットや周囲の声で「やめとけ」「後悔する」といったネガティブな意見を目にして不安になっていませんか?
結論から言えば、大型バイクは確かに難しさやリスクがある一方で、正しい選び方と心構えを持てば、初心者でも安心して楽しめる乗り物です。

郊外の駐車場で大型バイクにまたがる初心者ライダーの後ろ姿
不安を抱えながらも一歩を踏み出す初心者ライダーの姿

実際には、「向き・不向き」があるだけで、すべての人にとって「やめとけ」なわけではありません。
この記事では、「なぜやめとけと言われるのか?」という理由や背景を客観的に整理しつつ、後悔しないための選び方や注意点をわかりやすく解説します。

大型バイクに少しでも興味がある方が、納得して前向きに一歩を踏み出せるような情報をお届けします。

記事のポイント

  • 「やめとけ」と言われる具体的な理由や背景がわかる
  • 初心者が後悔しやすいポイントや失敗例が理解できる
  • 安心して乗るための選び方や練習法が学べる
  • リスクと楽しさの両面から自分に合うかを判断できる

大型バイクは初心者に難しい?やめとけと言われる理由を解説

  • なぜ初心者に「やめとけ」と言われるのか
  • 大型バイクでよくある後悔パターンとは
  • 重さ・取り回しに苦戦する初心者の声
  • 教習所とのギャップに戸惑う理由
  • 賛否が分かれる「やめとけ派vs推し派」の本音比較

なぜ初心者に「やめとけ」と言われるのか

大型バイクに興味を持ち始めたとき、最初にぶつかるのが「やめといたほうがいい」「初心者には危ないよ」といった周囲からの否定的な声です。「せっかく興味を持ったのに、そんなに危ないの?」と戸惑ってしまう人も少なくありません。ですが、こうした言葉の背景には、初心者への配慮や過去の体験に基づいた“注意喚起”の意味が込められていることもあります。

実際、大型バイクは中型以下のバイクとは異なり、車体の重さや取り回しの難しさ、加速時のトルクの強さなど、操作面でのハードルが高めです。公道での立ちゴケや信号待ちでのふらつき、クラッチミスによる急発進といったトラブルは、ほんのわずかなミスから発生します。とくに小柄な人や運転経験が浅い人ほど、取り回しの難しさに直面しやすい傾向があります。

さらに、事故や転倒を経験したことのあるライダーほど、「無理して乗らないほうがいい」と強く忠告しがちです。これは自身の痛みや後悔を知っているからこその“親切心”ともいえます。また、大型バイクは維持費や装備コストも高く、任意保険料やタイヤ・ブレーキの消耗品費、さらには駐車スペースの確保といった負担が発生することも、「やめとけ」と言われる理由の一つになっています。

ただし、これらの声がすべての初心者に当てはまるとは限りません。教習所でも「自分の体格や体力に合った車種選び」が重要とされていますし、安全意識を持ち、段階的にスキルを積んでいけば、大型バイクに安心して乗ることは十分に可能です。

実際には、初心者向けに配慮された大型モデルも多く登場しています。たとえばホンダ「Rebel 1100」やカワサキ「Vulcan S」などは、低めのシート高や重心設計により、足つきや操作性の不安を軽減する設計がなされています。メーカー側も初心者のニーズをしっかりと捉えているのです。

つまり、「やめとけ」という意見は、リスクを正しく伝える警告であると同時に、バイク選びの視野を広げてくれるきっかけでもあります。大切なのは、そうした声を鵜呑みにするのではなく、自分の体格・目的・ライフスタイルと照らし合わせて冷静に判断することです。

初心者が安全に大型バイクを楽しむためには、リスクを理解したうえで備える姿勢が欠かせません。「やめとけ」の声は不安を煽るものではなく、“正しく選ぶためのきっかけ”と捉えることもできるのです。

大型バイクでよくある後悔パターンとは

「せっかく大型バイクを買ったのに、なんか思ってたのと違う…」──そんな後悔の声は意外と多く聞かれます。見た目の迫力や憧れだけで選んでしまうと、想定外の苦労に直面してしまうこともあります。ここでは、初心者が陥りやすい後悔のパターンを紹介します。

まず特に多いのが、車体の重さや取り回しの難しさです。教習所では問題なく操作できていたのに、公道や駐輪場では「思うように動かせない」と感じるケースが少なくありません。とくに狭い駐輪場や傾斜のある場所では、車体を押し引きするだけでも毎回ひと苦労──そんな声も珍しくありません。転倒や立ちゴケのリスクも高まるため、初心者には大きなストレスになりやすいポイントです。

次に目立つのが、乗る頻度が想定よりも少なかったという後悔です。購入当初は「週末はツーリング三昧」と思っていても、仕事や家庭の都合、天候などが重なり、次第に乗る時間が取れなくなることがあります。ツーリングに出かける余裕がない日々が続くと、「バイクがあるのに乗れない」というもどかしさに変わってしまいます。

また、維持費の高さに驚く人も多くいます。大型バイクは車体価格に加え、任意保険、定期点検、オイルやタイヤ・チェーンといった消耗品の交換費用も無視できません。走行距離が増えるほど出費がかさむため、「維持するだけでも意外とお金がかかる」と感じる人が少なくないのです。さらに都市部では駐車場の確保も課題になり、場所によっては月々の出費が大きくなることもあります。

このような後悔の多くは、購入前のイメージと現実とのギャップに起因しています。「重いけど慣れれば大丈夫」「たくさん乗るつもり」と思っていても、現実は思うようにいかないこともあるのがバイクライフの難しさです。

とはいえ、逆に言えば、こうした後悔は事前に対策をとることで未然に防げるものでもあります。購入前に複数のモデルを試乗してみたり、自分の体格やライフスタイルに合ったサイズや特性を見極めることが大切です。バイクショップや経験者から話を聞いて、想像だけで選ばないことも後悔防止のポイントになります。

後悔しないためには、事前の準備こそが最大の“安全装備”と言えるかもしれません。

重さ・取り回しに苦戦する初心者の声

自宅前の狭い駐車スペースで大型バイクを押すライダーの後ろ姿
取り回しの難しさに直面する初心者のリアルなシーン

「教習所では何とかなったのに、実車は別物…」──大型バイクに乗り始めた初心者の多くが、まず直面するのが“重さ”の現実です。スペック表では分かりづらい車体の重さや取り回しの感覚に戸惑い、「こんなに大変だとは思わなかった」という声も少なくありません。

特に停車中や押し引きの場面では、その重量がダイレクトに体へ響きます。たとえば、自宅の狭い駐輪スペースでバイクを動かすだけでも汗ばむほどの労力がかかり、「毎回ひと苦労」と感じている人もいます。公道ではUターンや段差の通過にも気を配る場面が多く、毎回ヒヤヒヤするという声もあります。

また、信号待ちなど片足でバイクを支える場面では、体格や脚力に自信がない人ほど不安を感じやすくなります。ちょっとしたバランスの乱れで転倒しかねないため、「足がプルプルする」「停まるたびに緊張する」といった声が寄せられることもあります。大型バイクは車種によってシート高や重心バランスが大きく異なるため、体格に合っていないモデルを選ぶと、その扱いづらさが際立ってしまうのです。

さらに、教習所で使われる車種は操作しやすいように調整されていることが多く、実際に自分で購入するバイクの感覚とは大きく違う場合があります。「教習中は大丈夫だったのに、納車後のバイクは重くて怖い」と感じる初心者も少なくありません。

ただし、こうした悩みは車種選びと工夫次第で解消できる課題でもあります。足つきの良さを重視したり、低重心で軽量なモデルを選んだりすることで、取り回しの負担を軽減することが可能です。購入前には、必ず実際にまたがってみて、シート高や重さのバランスを自分の体で確かめることをおすすめします。

取り回しの不安は、多くの初心者が一度は通る道です。しかし、最初は大変でも、慣れていけばちゃんと“自分のバイク”になる──そんな声も多く聞かれます。焦らず、自分のペースで距離を縮めていくことが、安心してバイクライフを楽しむための第一歩になるでしょう。

教習所とのギャップに戸惑う理由

市街地の交差点で信号や対向車とすれ違う大型バイクのライダー
教習所では経験できない公道の緊張感

「免許は取れたのに、公道に出たら手が震えた…」という初心者の声をよく耳にします。教習所での運転に自信をつけたはずなのに、いざ実際の道路を走ると戸惑いや不安を感じる──この“感覚のズレ”こそが、多くの初心者にとって最初の壁になるのです。

まず、教習所の環境は非常に恵まれています。広く整備された専用コースに、信号や歩行者、対向車の心配もなく、教官の指示のもとで安全に練習できます。しかも使用するのは取り回しやすく調整された教習専用車両。初心者でも安心して操作できるように作られています。だからこそ、「教習中はうまく乗れていたのに…」という感覚は決して不思議ではありません。

一方で、公道ではその前提がすべて変わります。坂道発進、渋滞、見通しの悪い交差点、右直事故のリスクなど、判断と反応が求められる場面が次々に訪れます。たとえば、車の陰から歩行者が飛び出してくる、狭い交差点で対向車と鉢合わせる──そんな場面では、単に操作ができるだけでなく、「何が起きるか」を予測して動ける力が必要になります。これは初心者にとって想像以上に大きなプレッシャーになります。

さらに、市販のバイクと教習車の違いもギャップを広げる原因のひとつです。教習所で使われるバイクは足つきやバランスに優れた設計がされていますが、いざ購入するとなると「憧れて選んだモデル」が必ずしも体格や技量に合っているとは限りません。シート高が高く足が届きにくい、ハンドル位置が合わない、車体が重くて支えきれない──そんな違和感が戸惑いに拍車をかけます。

そして、心理的な支えの有無も大きな違いです。教習中は教官がすぐそばにいて、転倒やミスがあってもフォローしてもらえる環境です。しかし公道では、判断も操作もすべて自己責任。失敗がそのまま事故に直結する可能性があるため、初心者にとっては緊張感が段違いです。

とはいえ、こうしたギャップに戸惑うのはごく自然なことです。向いていないのではなく、「慣れていない」だけ。たとえばライディングスクールやレンタルバイクを活用すれば、実戦に近い環境で少しずつ慣れていくことができます。経験を積むことで、自然と視野も判断力も広がっていきます。

ギャップに戸惑うのは“あるある”です。だからこそ、安心できる方法で一歩ずつ慣れていくことが、バイクライフを長く楽しむコツになるのです。

賛否が分かれる「やめとけ派vs推し派」の本音比較

「初心者は大型なんてやめとけ!」
「いやいや、最初から大型でも全然アリでしょ」
こんな真逆の意見、あなたも見聞きしたことがあるのではないでしょうか?

ネットやSNS、バイク仲間との会話でもよく交わされるこのテーマは、初心者にとって大きな悩みのタネです。どちらの主張にも一理あるからこそ、「結局どっちが正しいの?」と迷ってしまいますよね。

まず、「やめとけ派」の意見には、リスク回避を重視する姿勢が見られます。大型バイクの車体は重く、取り回しが難しいうえ、万が一の転倒時にはケガにつながりやすいという不安もあります。さらに、任意保険やタイヤ交換、パーツ代など維持費も高めで、都市部では駐車スペースを確保するのも一苦労。「初心者には負担が大きすぎる」というのが主な理由です。中には事故経験や立ちゴケの苦い記憶から「やめとけ」と強く勧める人もいて、そこには善意の忠告や過去の後悔を繰り返してほしくないという気持ちも含まれています。

一方、「推し派」の声は、大型バイクにしかない魅力を知っているからこその応援です。「高速道路での安定性が抜群」「ロングツーリングがとにかく快適」「所有する喜びがある」など、乗った人にしか分からない“楽しさ”を伝える人たちがいます。さらに近年では、初心者でも扱いやすいモデルが増えており、ホンダ「Rebel 1100」やカワサキ「Vulcan S」などは足つきが良く、操作性も工夫されていて、「今の時代は選び方次第で初心者でも大丈夫」という後押しも増えています。

SNSやバイク系掲示板では、「初心者だけどリッターバイクに挑戦して大満足!」という声もあれば、「やっぱり250ccから始めるべきだったかも…」と振り返る書き込みも見られます。つまり、どちらが“正解”というよりは、その人の体格やライフスタイル、乗る頻度によって答えが違うというのが現実です。

だからこそ大切なのは、どちらかの意見を鵜呑みにするのではなく、自分自身の条件に合った視点で判断することです。「やめとけ派」の慎重な視点を参考にしつつ、「推し派」の楽しさや希望も取り入れていく。そうしたバランスの取り方が、初心者にとってもっとも現実的で納得感のあるスタンスになるはずです。

バイクは“道具”であると同時に、“楽しみの源”でもあります。リスクと魅力の両面を知ったうえで、自分に合ったペースで乗り出していくこと。どちらの声も大事にしながら、自分に合ったスタイルを見つけていくこと。それが、楽しくて長続きするバイクライフの第一歩になるのです。

大型バイク「やめとけ」は本当?初心者が直面する難しさとギャップ

  • 初心者でも安心!大型バイクの選び方と注目ポイント
  • 無理なく上達できる!乗りこなしの練習ステップ
  • 大型バイクに乗る楽しさとライフスタイルの魅力
  • 後悔しないための試乗チェックリスト
  • 気になる維持費や整備コストのリアルな話

初心者でも安心!大型バイクの選び方と注目ポイント

晴天の下、バイクショップ前に並ぶ大型バイク3台(Rebel 1100風・Vulcan S風・NC750X風)
初心者でも扱いやすい3モデルを比較できる一枚

「見た目はカッコいいけど、自分にも扱えるんだろうか…?」
大型バイクを検討し始めた初心者が、まず感じるのがこうした不安です。でも最近は、初心者でも無理なく扱える工夫が詰まったモデルが増えており、ポイントを押さえれば自分にぴったりの1台を見つけることができます。

まず注目したいのが、足つきの良さです。信号待ちや停車時に両足がしっかり地面に届くことで、バイクを安定させやすくなり、不安もぐっと軽減されます。「足が届かない」というだけで、停車時や立ちゴケの恐怖心が一気に高まります。安心して支えられるかどうかは、初心者にとって想像以上に大事な要素です。
たとえば、ホンダ「Rebel 1100」(シート高700mm)やカワサキ「Vulcan S」(705mm)は、同クラスの中でも足つきに配慮されたモデルとして人気があり、小柄な方や女性ライダーからも支持されています。

次に重視したいのが、重心の低さです。車体の重心が高いと、ちょっとした動作でもバイクがふらつきやすくなります。逆に、低重心設計であれば取り回しの安定感が増し、Uターンや押し歩きといったシーンでも扱いやすくなります。特に信号待ちや立ちゴケしやすい場面では、バイクの重さが“怖さ”としてのしかかってくるため、重心の高さは見逃せない要素です。

さらに、エンジンの特性も重要です。パワーのある大型バイクは、モデルによっては発進時に急加速しやすく、初心者にはコントロールが難しいこともあります。ホンダ「NC750X」は低回転でも粘りのあるトルクを発揮し、低速でも安定して走れるため、初めての大型バイクとして高く評価されています。

また、自然なライディングポジションも長時間乗るうえでの快適性に直結します。極端な前傾姿勢になると手首や腰に負担がかかり、慣れていない初心者にとっては疲労の原因になりやすいもの。アップライトなポジションを採用しているモデルなら、視界も広く、リラックスした姿勢でツーリングを楽しむことができます。

加えて、最近では体格に合わせて調整可能な設計を持つモデルも登場しています。たとえばVulcan Sは、ハンドル・ステップ・シートを組み合わせて自分の体型に合わせられる「エルゴフィット」システムを搭載。これにより「足が届きづらい」「ポジションがしっくりこない」といった悩みを軽減することができます。

このように、「足つき」「重心」「エンジン特性」「ライディングポジション」「カスタマイズ性」といった観点から選べば、初心者でも安心して大型バイクに乗り出すことができます。購入前には、ぜひ販売店でまたがってみたり、試乗してフィーリングを確かめておくのがおすすめです。

大型バイクを選ぶことは、“カッコよさ”と“安全性”のバランスを見つけること。妥協ではなく、自分らしい1台を見つける選び方こそ、バイクライフの第一歩になるのです。

 無理なく上達できる!乗りこなしの練習ステップ

「免許は取れたけど、信号や坂道、車の流れを考えると怖くて踏み出せない…」
そんな気持ちになるのは、ごく自然なことです。大型バイクは確かにパワフルで存在感がありますが、段階を踏んで練習を重ねれば、初心者でも無理なく乗りこなせるようになります。

最初に大切なのは、いきなり一人で走り出さないことです。教習所で習った操作も、実際の公道ではまったく違った印象を持つことが多いものです。信号、交通量、右折レーン、狭い道、坂道発進──実践の場では次々に判断を求められる場面が訪れます。まずは交通量の少ない時間帯や見通しの良い場所を選び、感覚を取り戻すことから始めてみましょう。

次のステップとしておすすめなのが、レンタルバイクやライディングスクールの活用です。「いきなり購入して後悔するのが不安…」という人にも、まずはレンタルで試すというステップが気軽でおすすめです。複数のモデルを体験できるため、「足つきはどうか」「重さは自分に合っているか」など、実際に乗ってこそわかるポイントを確認できます。また、ライディングスクールでは現役インストラクターが実戦的なアドバイスをくれるため、独学では気づきにくい癖や改善点にも気づけます。

慣れてきたら、短距離のツーリングにも挑戦してみましょう。片道30分〜1時間程度のコースから始めることで、緊張せずに運転そのものを楽しむ余裕が出てきます。途中で休憩を挟みながら、「走る」「停まる」「曲がる」といった基本操作を反復することで、体が自然にバイクの動きに慣れていきます。

また、低速でのバランス練習はとても効果的です。大型バイクはスピードが出ているときは安定しますが、駐車や渋滞時のような低速域ではふらつきやすくなります。広めの駐車場などで8の字旋回やS字走行をゆっくり反復することで、クラッチ操作やバランス感覚が磨かれ、安心して扱える自信がついていきます。

そして何より大切なのが、焦らず「自分のペース」を守ることです。SNSなどで「納車初日にロングツーリング!」といった投稿を目にすると焦ってしまいがちですが、人と比べる必要はまったくありません。大型バイクは、慣れたときに本当の楽しさが見えてくる乗り物です。

大型バイクを乗りこなすというのは、単なる技術だけでなく、「怖さに向き合い、少しずつ克服する」プロセスでもあります。練習を通して少しずつ自信をつけていけば、やがて「乗れる」から「乗りたい」へと気持ちも変化していくはずです。
焦らず一歩ずつ進めば、必ず「バイクは自分にとって楽しいものだ」と実感できる日がやってきます。

大型バイクに乗る楽しさとライフスタイルの魅力

郊外の静かな道で停車し、休憩中のライダーと大型バイクの後ろ姿
大型バイクと過ごす、自由で豊かなひととき

「まだ自分には早いかも…」
そう思っていた初心者が、大型バイクに乗り始めて気づくのは、ただの移動を超えた“特別な時間”の存在です。最初の不安を乗り越えた先には、大型バイクだからこそ味わえる楽しさや、自分らしいライフスタイルが待っています。

まず、多くのライダーが語るのが、風を受けながら広い道を走るときの開放感です。大型バイクはエンジンに余裕があり、高速道路やバイパスでも安定して走行できます。加速に追われることなく、景色や空気、エンジン音までもじっくり味わえるのが魅力です。高速道路での風の安定感や振動の少なさも、大型バイクならではの安心材料として評価されています。

また、ロングツーリングとの相性が良いことも大きな特長です。重さのある車体は直進安定性に優れており、長距離でも疲れにくい設計になっています。アップライトなライディングポジションのモデルが多く、無理のない姿勢を保ちやすいため、腰や肩への負担も少なく、ツーリングが純粋に「楽しい時間」として感じられるようになります。

そして、大型バイクならではの見た目や所有感も、乗る楽しさの一部です。街中でも一目置かれる存在感や、洗車や整備のたびに深まる「自分のバイク」への愛着。カスタムパーツを選ぶ時間も含めて、大型バイクは単なる移動手段ではなく、暮らしに溶け込む“相棒”のような存在になります。

近年はキャンプツーリングとの相性も注目されています。積載力に余裕があるモデルであれば、テントや調理道具を載せて、ふらっと自然の中へ出かけることも可能です。バイクとともに過ごす時間が、日々の生活に新しい刺激とリズムをもたらしてくれます。

もちろん、大型バイクには重量や維持費といったハードルもありますが、それを補って余りある「走ること自体の楽しさ」や「ライフスタイルとしての満足感」があります。バイクを通じて得られる景色、人との出会い、季節の変化──それらすべてが、自分の人生を少しずつ豊かにしてくれます。

大型バイクを通して得られる楽しさは、数字やスペックだけでは語りきれません。走ること、停まって眺めること、そのすべてが「体験」として心に残ります。最初の一歩に少し勇気がいるかもしれませんが、その先には、自分だけの世界が広がっています。
バイクと過ごす時間は、やがて日常のなかで欠かせない“自分だけの自由時間”になっていくはずです。

後悔しないための試乗チェックリスト

「見た目や評判で選んだけど、思ったより扱いづらかった…」
そんな後悔を防ぐためにも、大型バイク選びでは試乗がとても重要です。カタログスペックやレビューではわからない“自分との相性”を確認できる試乗は、初心者にとってこそ取り入れてほしい大切なステップです。

まず確認したいのが、またがったときの足つきです。両足がどの程度地面に着くかによって、停車時の安心感が大きく変わります。つま先がぎりぎり届く程度なのか、かかとまで着いて余裕があるのか──足つきの感覚は、立ちゴケや停車時の不安を軽減するうえで非常に重要なポイントです。

次に、バイクを押し引きしてみたときの取り回しのしやすさにも注目してみましょう。エンジンをかけずに車体を動かすことで、重心の位置やハンドルの切れ具合、シート高とのバランスが自分に合っているかを感じ取ることができます。実際に試してみると、同じクラスのバイクでも驚くほど「扱いやすさ」に差があることが分かります。

さらに、試乗ではエンジンのフィーリングにも注目してみてください。発進時にスムーズに加速できるか、低速での安定感があるか、クラッチやアクセルの操作が自分の感覚に合っているか──走り出しの段階から違和感がないかどうかを意識してみると、より自分に合った1台が見つかりやすくなります。

また、ライディングポジションの自然さも大切です。ハンドルの高さ、ステップ位置、シートの幅など、身体に無理なくフィットしているかどうかをチェックしましょう。ポジションが合わないと、長距離走行時に肩こりや腰痛につながりやすく、楽しさよりも疲労のほうが勝ってしまうこともあります。

試乗の際には、1台だけで判断するのではなく、できれば2〜3台を比較してみるのがおすすめです。乗り比べてみることで、「このバイクは軽く感じる」「クラッチ操作がしやすい」など、違いがはっきりと分かるようになります。

また、販売店では遠慮せずに初心者であることを伝えてみてください。スタッフが親身になってくれるケースも多く、初心者向けの試乗コースや、扱いやすいモデルの紹介など、安心して選べる環境が整っていることがあります。

試乗は“購入を決める場”というよりも、“自分に合うバイクを知るための体験”です。焦らず選んだバイクほど、長く大切にしたくなるものです。自分の直感を信じて、じっくり比較しながら、後悔しない一台を見つけていきましょう。

気になる維持費や整備コストのリアルな話

大型バイクに憧れる一方で、「維持費が高そう」「維持できるのかな」と不安を感じる初心者も多いはずです。確かに中型バイクに比べてコストはかかりますが、あらかじめ仕組みを理解しておけば、無理のない範囲で楽しむことも十分に可能です。

まず、年間を通して発生する主な費用としては、任意保険・車検費用・ガソリン代・オイル交換・タイヤやブレーキパッドなどの消耗品交換が挙げられます。たとえば、任意保険は年齢や等級にもよりますが、大型バイクの場合は年間3万円〜6万円程度かかるのが一般的です。特に初心者で等級が低い場合はやや割高になる傾向があります。

また、大型バイクは250ccを超えるため、車検が必要になります。車検は2年ごとで、費用はディーラーやショップに依頼した場合で5万円〜8万円前後が目安です。これに加えて、定期点検や部品交換の費用も発生するため、「走らなくてもお金がかかる」点は意識しておく必要があります。

消耗品の中で特にコストがかかりやすいのが、タイヤやチェーン、ブレーキ周りです。たとえばタイヤ交換は前後セットで3万円〜5万円程度。走行距離やライディングスタイルによって寿命は変わりますが、年間5000〜8000kmほど走る人であれば、1〜2年に1回の交換が目安になります。さらに、エンジンオイルは3000〜5000kmごとに交換が推奨されており、1回あたり3000〜8000円程度が相場です。

ガソリン代も意外と無視できないポイントです。大型バイクは車種によって燃費に差がありますが、街乗りでリッター15〜20km、高速走行で25km前後が平均的です。燃料タンクが15〜20Lあるモデルが多いため、一度の給油で3000円〜4000円かかることもあります。

一方で、最近は維持費を抑えやすい大型モデルも登場しています。たとえば、ホンダの「NC750」シリーズは燃費性能に優れ、メンテナンス性の良さもあって、維持費の安さを重視するライダーに人気です。また、チェーンドライブよりもメンテナンスが楽なシャフトドライブ式を採用しているモデルなどもあり、選び方次第でコストの負担を減らすことができます。

維持費がかかるからこそ、無理のない予算設計と車種選びが大切です。購入前に年間でどのくらい乗る予定か、保管環境やメンテナンスの頻度も含めて具体的にイメージしておくことで、「こんなにかかると思わなかった」という後悔を防ぐことができます。

バイクは購入して終わりではなく、そこから始まる趣味です。予算と相談しながら、納得して選べば、維持費も含めて楽しめる“ちょうどいい一台”に出会えるはずです。

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大型バイクは初心者にやめとけと言われる理由と向き合うポイント

  • 車体の重さが取り回しや停車時の不安につながりやすい
  • 足つきの悪さが転倒リスクを高める要因になりやすい
  • 教習所と実車の扱いやすさに大きなギャップがある
  • 維持費や保険料が中型バイクより高く金銭的負担が大きい
  • 駐車場所の確保が難しく都市部では管理コストが増す
  • 「乗る時間が取れない」ことで後悔する初心者も多い
  • 体格に合っていないモデルを選ぶと操作に苦労しやすい
  • 公道では想定外の場面が多く初心者には判断負荷が高い
  • 教習車と違い、市販車は足つきや重量感に差がある
  • 周囲の「やめとけ」の声には過去の後悔や配慮が含まれる
  • 試乗を通じて相性を確認することが後悔回避につながる
  • 自分に合ったポジションや重心のモデルを選ぶことが重要
  • 初心者向けに配慮された大型モデルも増えてきている
  • 焦らず練習を重ねることで不安は少しずつ解消される
  • 「正しく知って備える姿勢」が安全なバイクライフの土台になる